配偶者がパートに出るなら年収いくらに抑えればいいのか

私の仕事柄、数多くのパートを管理する立場にあるので、パートの年収を103万円、106万円、130万円までに抑える。

といったことはよく聞きます。

しかし、収入枠を超えるとどうなるのか、103万106万130万がいったい何なのかよく分からない人も多いと思うので解説します。

 

扶養には「税金上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。

 

よく分からない方のために税金と社会保険について説明してから本題に入ります。

所得に関係する税金は、所得税と住民税があります。

所得税は課税所得に対して5~45%、住民税は課税所得に対して10%の税金がかかります。

 

社会保険は病気や老後のリスクに備える社会保障です。

社会保険と一丸に言いますが、社会保険というのは大きなカテゴリーであり、様々な保険に分かれます。

下の図がわかりやすい図になります。

 

 

社会保険の金額は4月~6月の給与(標準報酬月額)で決まります。

国民年金は一律です。

会社員の場合は毎月の給与から天引きされています(源泉徴収)。

天引きされている中に所得税住民税健康保険も全部入っています。

それぞれの税率は

・所得税5~45%

・住民税10%

・健康保険10%(会社が半分負担)

・厚生年金18%(会社が半分負担)

・労災保険0.4%(会社が全て負担)

・雇用保険1%

・介護保険1.6%(会社が半分負担)

(介護保険は40歳以上のみ)

これらが4月~5月の給与に対して金額が決まります。

 

それでは扶養の話に戻ります。

冒頭でお伝えしたように、扶養には「税金上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。

「社会保険上の扶養」とは扶養してもらう人が得をする扶養です。

扶養してもらう人の社会保険と年金の負担が0になります。

条件は扶養してもらう人の年収が130万円未満です。

会社員で社会保険に入っている旦那さんの奥さんがパートで年収130万円以下の場合、奥さんは社会保険負担なく社会保険に入れますし、旦那さんの負担も増えないのです。

これを聞いて社会保険は106万円から加入じゃないの!?

と思った方もいらっしゃると思いますが、

106万円以上で社会保険が加入となるのは、以下の全てに当てはまる人です。

・労働時間が週20時間以上

・月給が8.8万円を超える人

・1年以上の勤務が見込まれる人

・勤務先が従業員501人以上(厚生年金の被保険者)の企業

※学生は対象外

なので基本的には130万円なのですが、一部上記全てに当てはまる人は106万円となります。

しかし上記に当てはまるといっても、月給が一か月でも8.8万円を超えたら入らないといけないのか?

という疑問が出てきますが、繁忙期にたまたま8.8万円を超えても大丈夫です。

残業代、ボーナス、通勤手当などの臨時手当は対象外です。

 

次に「税金上の扶養」について説明します。

「税金上の扶養」とは扶養する人が得をする扶養です。

扶養する人の所得税と住民税が安くなります。

「社会保険上の扶養」の話では奥さんが得をしましたが、こちらは旦那さんが得をします。

この旦那さんが税金面で得をする理屈というのが、扶養する人の課税所得が下がるからです。

所得税・住民税は課税所得に対してかかります。

課税所得とは、

会社員→給与-控除=課税所得

自営業→売上-経費-控除=課税所得

といった具合に課税所得が決まりますが、

扶養控除、【扶養】控除と文字の通り配偶者を扶養していることで受けられる控除があるのです。

所得が低い人の面倒を見てあげているのだから、面倒見ている人の所得からいくらか【控除】してあげますよ

といったことですね。

これが配偶者控除で、扶養されている人の給与所得が103万円以下の場合、扶養する人の所得から38万円控除してあげますよ。

というものです。

では、103万円を超えたら損なのか?と疑問が出てくると思いますが、実はそうでもないのです。

私.104万円になってしまった!!最悪!!と言っているあなた!!

ご安心ください。

ここで登場するのが配偶者特別控除です。

配偶者特別控除というのは扶養される人の給与所得が103万円~201万円未満の場合、扶養する人の所得から3万~38万控除してあげますよ

という制度で段階的に控除がなくなる制度です。

なので103万円を超えると急に控除がなくなるわけではなく、段階的に控除が減っていくので、103万円を超えたからといって焦る必要はないのではないでしょうか。

それに段階的といっても103万円から150万円までは38万円控除してくれます。

なので「税金上の扶養控除」はパート年収150万円までなら損はないのです。
※社会保険は130万円まで

 

それでは結局いくら安くなるのでしょうか。

社会保険は扶養してもらう人の健康保険と年金の負担が0です。

税金上の扶養は扶養控除の金額×税率分、税金が安くなります。

旦那さんの年収が平均年収くらいだったとして、年間7万円の節税です。

なので結論を言うと、扶養の範囲内で働くならパートの年収は130万円未満にしておくのが一番お得です。

配偶者控除の枠である103万を超えても配偶者特別控除で150万までは同じ38万円を控除してもらえるので、130万円稼げるのに103万円に抑える、などといった考え方は全く意味がないのです。

主婦が扶養範囲内で一番お得なのは130万円未満です。

ただ稼げるのなら、税金や社会保険のことばかり考えてちびちびケチるよりも、しっかり稼いだ方が世帯年収もアップしますし、ケガや病気で働けない時の傷病手当金などの金額もアップするので、家族全体で安定した生活が送れるのではないでしょうか。

しかしそれでも稼ぐ気もないし働く気もないけど、扶養内でお得な年収はいくらなの?と聞かれた場合には、130万円未満ということになります。

PS:元気に働けるにも関わらず、アホのひとつ覚えのように勉強もせずに「103万、103万」と言っているパートは、この日本の代表的なお荷物であり、情弱民であり、こういった考えの人々が減らない限り、今後も日本が経済的に成長していくことは難しいでしょう。

103万円に抑えるというのは「税金上の扶養」の観点であり、これは木を見て森を見ずということになります。