こんにちは。七宝です。
2019年の前半は米中貿易摩擦の影響で全世界で株価は下落傾向でした。
しかし、2019年10月に入ってからは日本株、米国株共に順調に上がっています。
今回はなぜこのタイミングで上がっているのかを解説をします。
米国株に関してはトランプ大統領のウクライナ疑惑により株価下落への不安要素もありますが、現状のマーケットではそこまで気にしてない動きです。
しかし、今後このウクライナ問題により株価が下がる可能性はあることは確かです。
今米国株が好調の理由として考えられるのは、6月からアメリカの中央銀行(FRB)が3回連続利下げをしているからです。
この3ヶ月トータルで0.75%も利下げをしているのです。
なのでマイナス金利の日本との金利差は縮まりました。
普通に考えると金利差が縮まったということは円高・ドル安になると思いますよね。
なので今年の初めはみんな、円高になることを予想していました。
しかし実際はどうなったでしょうか。
実際にはドルは下がってないのです。円高になっていないのです。
なぜ円高になっていないのでしょうか。
普通はドルの金利が下がったら円が買われるので円高になる、というのが今までの常識でした。
しかし、円を買うというのは日本の債券を買うことになりますが、日本の債券の金利はマイナス金利です。
なので、ドルから円に変えたくても買える日本の国債はないのです。
日本だけでなく先進国はどこの国も金利は超低いので、どこの通貨に変えてもほとんど金利はつきません。
そうなると債券のマーケットは機能していないということになります。
ではドルを売ったお金はどうするのか、、、そう、株式を買う他なくなるのです。
これが今株式が買われている理由なのです。
株式の中で一番パフォーマンスが良いのは米国株式です。
ではなぜ日本の株式も上がっているのか。
10月以降日経平均株価も上がり続けています。
日本では10月1日から消費税が増税されています。
そして、10月から各企業の決算が発表されていますが、どちらかと言うと悪い決算発表が多いのです。
普通は悪い決算発表が出ると株価は下がるものですが、今株価は上がっています。
決算発表が悪かった会社についても上がっていて、決算発表後に少し下げてまたすぐ元に戻り上がり続けるといった現象が起きています。
なぜそうなっているのでしょうか。
それはやはり米中貿易摩擦の影響がずーっとあったのです。
米中貿易摩擦の影響で株価が売られていましたが、株価が先行して売られすぎていたのです。
なのでここにきて米中貿易紛争が一部合意というポジティブな要素が出てきたことにより、下げすぎた分の株価が戻ってきているということが考えられます。
なので、
米国株高→米国は利下げになったが、各国買える債券がないため米国株式が買われている
日本株高→米中貿易摩擦により売られすぎていた株が一部合意により買い戻されている
という風に考えることができるのです。
日本会社の決算報告を見ても分かるように、日本株は上がっていますが、経済状態が好調という訳ではありません。
このあと年末に向けてどうなるかという予想はもちろんできないですが、1つ気になるのは、普通株式の調子がよくリスクオンの状態になっている時は金は下がります。
有事の金と言われるように、株式市場の暴落などが起きた時に金が買われるので株式が好調の時は金が売られるのです。
しかし今、金の価格は下がっていません。
なので投資家たちは株式を買いつつ金を売ってはいません。
完全にリスクオンにはなっておらず、慎重になっていることが見て取れます。
10月に日銀の金融政策決定会合がありましたが、結果は現状維持でした。
日銀としてはまだ消費税増税による影響は出ていないとみているということです。
消費増税による景気の減速がこれからあるかもしれないので、追加の金融緩和を温存した、という考え方もできます。
今後消費増税の影響がどうでてくるのか、ここがポイントになってくると思います。