こんにちは。七宝です。
最近、キャノンの減配をきっかけに高配当株への投資がいろいろと話題になっていますね。
私は幾度となく配当利回りだけで食いつくのがいかに危険であるかを説明しています。
高配当株投資をするにあたって私が配当利回り以外に注力して見ている指標が配当性向です。
あまり話題にされませんが、この配当性向はかなり重要な指標だと思っています。
配当性向とは、企業が儲けた利益のうちのどれだけを株主に配当として還元しているかの指標になります。
なので言ってしまえば、配当性向が低ければ低いほど増配余力が残っているということになります。
逆に配当性向が高いと、この先利益を大きく上げないと増配余力は残っていないということになります。
利益が上がっていないのに増配をした場合、配当性向は上がることになります。
配当利回り4%で配当性向90%のA社と配当利回り4%で配当性向30%のB社を比較するなら…
B社の方が稼ぐ力がありますし、未来も明るい可能性が高いのです。
企業の稼ぐ力に対しての株価の割安性を計るPERもB社の方がうんと低いはずです。
配当利回りに騙されてはいけません。
何回も言っていますが、配当の原資は会社の利益です。
短期的に配当をどれだけ出すかは企業が決めるので、配当利回りを高く見せることは出来ますが、会社が儲けてないのに高い配当を出し続けることなんてできる訳がありません。
配当性向が100%を超えているような場合を見かけますが、それは会社が稼いだ利益以上に株主に配当金を支払っていることになるのです。
滅多にないですが「創業100周年記念で記念配当を出した」とかであればその1年だけ配当性向が100%を上回ることもあります。
この場合でも、配当利回りはとても高く表示されるので注意が必要です。
この配当性向がベラボーに高く、企業がの稼ぐ力に見合ってない配当金が出ているのは、毎月分配型の投資信託ととても似ていると思います。
私は毎月分配型の投資信託は買うなと言っています。
毎月分配型の投資信託は利益に構わず毎月分配するので、利益が出ずに分配された場合、単に自分の投じたお金が返ってきただけということになります。
分配された分、投資信託の基準価格が下がります。
これでは分配金が入ってきてもなにも嬉しくないですよね。
再投資してやっとトントン、マイナス税金です。
配当性向の高すぎる銘柄の配当金はこれととても似ています。
企業が稼いでいないのに配当金をもらってしまっているのです。
ジャムおじさんがパンを焼いてないのに、アンパンマンが自分の顔であるアンパンを子供たちに与え続けたらどうなるか分かりますよね。

個別銘柄を買う時は配当利回りに加え、配当性向やPERなどの指標と絡めて判断しないといけません。
私は配当利回りが少々低くても配当性向とPERが低い銘柄を優先して選んでいます。
直近の配当利回りより、この先も長期的に配当金を運んできてくれる銘柄に投資をしましょう。