こんにちは、七宝です。
リスクと聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
一般的にリスクとは危険という意味です。
しかし投資の世界では危険という意味の他に「標準偏差」という意味合いもあります。
この標準偏差とは「値動きの元」、「ブレ」、「幅」、「変動幅」のことです。
この変動幅が小さいものをリスクが低い、逆に変動幅が大きいものをリスクが高いと言っています。
債券は値動きが小さいためリスクが低い、株式は値動きが大きいのでリスクが高い、銀行預金は値動きがないのでリスクがない。
このように言っているのです。
このリスクの使い方は少しややこしく、多面的に見る必要があります。
題名にもある通り、「短期か長期投資かどちらがリスクが高いか」という側面から考えた場合、「株価の変動幅」という観点からリスクを見ると、短期より長期の方がリスクは高い事になります。
明日の株価より10年後の株価の方が幅は広いに決まっています。
今日は年末年始で株式市場は開いていないですが、明日(翌営業日)の日経平均株価が1万円になることや5万円になることなんてほぼないでしょう。
しかし10年後の日経平均株価と考えた時、日経平均株価は1万円に下がっている可能性も5万円まで上がっている可能性もない話ではないと思います。
この考え方でいくと短期よりも長期投資の方はリスクが高いという事になります。
だから長期投資がリスクが高くて危ない投資なのかというと、もちろんそういう訳ではありません。
もしインカムを生まない資産に途中の買い増しもなしで、今投資をして10年後に売却する。
そういった投資をするのであれば、前述したようにただのリスクが高い投資と考える事ができます。
しかしこれを年あたりリターンで考えてみた場合は先程とは異なります。
年あたりリターンのブレ幅という観点から見たリスクで考えると短期では大きくブレます。
株式投資における年あたりのリターンは5%前後です。
しかしこれは100万円投資すれば1年後も105万円、2年後に110万円と綺麗に5%ずつ増えていく訳ではありません。
1年目は-10%、2年目は+15%、3年目は±0、4年目は+7%・・・
といった具合に年あたりのリターンはバラバラですが、
年数をかければかけるほど年あたりのリターンは平均の5%に回帰していくのです。
これを「平均回帰性」と言います。
これが長期投資がリスクが低いと言われる理由です。
年あたりのリターンの振れ幅という観点からリスクを見た場合は、短期より長期投資の方がリスクが低いという事になります。
株式を初めとした投資をする多くの方が配当金ももらうでしょうし、再投資もすると思います。
そして積み立て方式などで資産形成中にも入金、買い付けをすると思います。
株価が高い時も安い時も買い続けるので長期的に非常にリスクをコントロールした投資ができるのです。
このように短期と長期でどちらがリスクが高いかというのは、どんな側面から物事を見るかによって変わってくるので、一概に短期はリスクが高いとか低いとか、長期はリスクが高いとか低いとかを比べるのは非常に難しい事です。
どんな側面から見ての発言なのかを多面的に考える必要があります。
多面的に物事を考えれない、狭い視野でしか判断ができないような人にはならないようにしましょう。